腰痛にピラティスがお勧めな理由と3つのポイント!
腰痛は、男性では1番目、女性では肩こりに次いで2番目に多いとされています。(厚生労働省の国民生活基礎調査)
腰痛には、様々な原因が考えられるのですが
生活習慣による動き方の癖や姿勢不良によるものから、精神的なストレスによるものまで大きく影響しています。
これまでに腰痛改善を理由に、ピラティスを始められた方、もしくはお医者様から勧められた方々がたくさんいらっしゃいます。実際にほとんどの方が完治、もしくは緩和されました。
なぜ、ピラティスが腰痛に効果的なのでしょうか?
誤った習慣をひとつひとつ正していく。
長年の生活習慣で身体が歪んでいくというのは、ほとんどの方が経験あるのではないでしょうか?
ピラティスは、骨格を構成する骨の動きや関節の可動性を理解し、筋肉の動きすべてを意識的にコントロールしていくものです。ひとつの部位に集中することなく、身体全体を捉え、意識や感覚を研ぎ澄ませていくもの。
まさに動きを通して《自分自身を知る》エクササイズでもあるのです。
脚を組んで座る、片脚だけに重心をかけている、いつも同じ側で鞄を持つ、合わない靴を履いて長時間を過ごすなど
それらの積み重ねが少しずつひずみとなって、負担をかけていくのです。
もともと、身体は強く強靭にデザインされていますので、すぐに怪我になる確立は低いですが、無意識による身体の使い方の癖と、身体に対する知識の無知がリスクを高めていくのに他なりません。
ピラティスは、日常生活で必要な、ちょうどいい分量の筋肉、そして最良の働きをする筋肉を作り上げてくれます。
今日、私たちの多くは、ほとんど体を動かさない生活を送っております。1日の大半を座って過ごし、移動は車ですませ、少しでも目的地に近い駐車場をみつけて、できるだけ歩くことのないようにしていませんか?
またジムに通っている方の中でも、プログラムの中で筋肉づくりだけ一生懸命にやって、クールダウンのストレッチの部分を省いたりしていませんか?
こうした習慣の繰り返しが、体を硬くさせ、年月とともにますます柔軟性が失われ、本来持ち合わせる身体機能が少しずつ衰えさせ、怪我のリスクを高めていきます。
悪い姿勢で長時間座っていると、腹筋は弱くなり、肩は丸まり、猫背の姿勢を作り出します。
これが腰痛や慢性の首や肩の痛みを引き起こすのです。もし、あなたが、長時間悪い姿勢で座っているのなら、姿勢を正し、柔軟性を高めることが必要でしょう。
《自分自身を知る》というのは、身体だけではなく意識、気持ちの面でも欠かせないものとなります。
ピラティスは、西洋と東洋の理念を両方取り入れたホリスティックメソッド(人間を心と身体の全体で捉え、本来持っている自然治癒力を利用する方法)でもありますから、シンプルな動きを繰り返しながら、自分の癖に気づき、修正し、全体のバランスを整えていくことで、少しずつ変化し、進化していくからだになっていくのです。
筋肉のガードルを強化していく
腰はもともと、支えるのが得意な部位です。
ですから腰を安定させる為に必要な筋肉のガードルを強化していく必要があります。
筋肉のガードルをピラティスでは“パワーハウス”と呼んでいます。
一般的には“コア”と言います。
その名の通り、からだの中心にあり芯の部分で、内蔵を支えているお部屋でもあります。
横隔膜:天井
腹横筋:周りの壁
多裂筋:後ろの壁
骨盤底筋:床
大腰筋:柱
これらは、インナーマッスルとして体幹を安定させるのに欠かせない部位であり、そのお部屋を強化することでよりパワーを発揮できる部位でもあります。
強度の高いエクササイズでは、自分の強い部分が動きを補おうとする働きが生まれ、本来使いたいところではないところで動いてしまう可能性があるため、まず最初は強度の低い仰向けでの動きから始めます。
アームアークス : 骨盤や背骨のラインをニュートラルに保って肩関節で腕の上げ下ろしをするエクササイズ。
まずは、このようなシンプルな動きで
パワーハウスを起動して、そのラインを保ちながら動くことに集中してみましょう。
※間違いやすいポイント:腕を上に上げた時に腰と床の隙間が大きく空いてしまったり、肩が上に上がったりしやすいので注意が必要です。
どんな動きでも、まずはこのパワーハウスを起動させインナーマッスルからアウターマッスルへの連動性を高めていくことを繰り返しの中で習得していくこと。
正しい股関節の使い方を習得する
腰痛になる方のほとんどが、股関節を正しく使えていないことにより腰が使い過ぎている(動き過ぎている)状態になっています。
サイドキックプレパレーション:パワーハウスを起動し、体幹(肩を含む骨盤までの部位)を安定させながら股関節を使って脚の曲げ伸ばしをするエクササイズ。
この時、坐骨を下に突き出す方向と頭頂部を上に伸ばす方向の2方向に引っぱり合うイメージ(2way stretch)で脇腹を伸張させたまま行うことが大切です。
※間違いやすいポイント:股関節幅に対してまっすぐではなくて(床面に対して)、脚を伸ばしたときに下に下がったり上に上がったりすること。また坐骨や腰が丸くなり、脇腹が下に下がってこないように注意が必要です。
その他には、
キャットストレート:四つん這いのポジションで頭頂部と坐骨を(床面に対して)まっすぐに保ちながら、坐骨を後ろに突き出すエクササイズ。
※間違いやすいポイントは、後ろに下がった時に、坐骨や腰が丸くなったり、頭が下に下がったり、肩が上がったりしやすいので注意が必要です。
日常生活における基本動作の一つとして、「立つ・座る」という動きがあります。
座る時には、腰を丸くした姿勢ではなく、坐骨を下方向にまっすぐに立たせて(骨盤を起こす)、坐骨の上に座る感じができると腰への負担はだいぶ軽減されます。
そこから立ち上がるときは、股関節から上体を折り曲げて、重心を前側にもっていき、しっかりと両脚を使って立ち上がる。
座る動作は、この逆パターンです。
お尻を突き出すような姿勢で椅子に腰掛けて、骨盤をまっすぐにお越し(左右の坐骨の上に上半身がのっている感じ)て座る。
この動作ができているかできていないかで、腰痛や肩こりに大きく影響を受けるものです。
実際に自宅やオフィスにある椅子を使って、この練習をするだけでも実践的なスクワットの運動になり、足腰の強化にもなりますよ。
最後に・・
ピラティスは、強さと柔軟性を共に向上させ機能的な身体を手に入れるエクササイズです。
筋肉の強さやよいアライメントを失うことなく、可能な限りの柔軟性を身につけていくもの。
体の全体的なバランスが整ってくると、精神的にもゆとりが生まれます。
何より脳が目覚め、自分を信じる自信が持てるようになっていきます。
完璧を目指して見果てぬ夢を追うのではなく、自分なりにベストな体になれるよう、ピラティスを一緒に始めてみませんか?